2023/07/19 : Admin Master(クレーム対応)
クレーム対応のスキルは、ビジネスの世界で非常に重要な能力とされています。なぜなら、クレーム対応のスキルは、その人が仕事をどれだけ理解しているかを示すバロメーターだからです。
クレーム対応がうまい人は、アルバイトから上司まで、幅広い範囲で信頼を得ています。なぜなら、クレーム対応は直接的な売上につながらないため、このタスクを避ける人が多いからです。しかし、クレーム対応がうまい人は、そのスキルを活かして信頼を築き、キャリアを進めていきます。
クレーム対応が苦手な人は、"できないものはできない"と相手を説得しようとします。しかし、これは相手との対立を引き起こし、問題をさらに複雑にします。一方、クレーム対応が得意な人は、相手の話を丁寧に聞き、その背後にある本質的な問題を理解しようとします。
例えば、家具店の出来事です。
ある晩、店の閉まり間近に電話が鳴りました。
「新しい食器棚が届いたけど、引き出しの底に微細な傷がある。すぐに交換に来てくれ!」
彼の声からは怒りが滲み出ていました。さらに、配達員の態度にも不満を持っていたようです。
しかし、食器棚の在庫を確認すると、すぐに用意できるものはありませんでした。新たに取り寄せるには4日ほどかかることを彼に伝えると、
「冗談じゃない! すぐに持って来い!」
と、さらに怒りを露わにしました。しかし、在庫がない以上、すぐに持って行くことはできません。
こうした状況で、クレーム対応が得意でない人は、「できないことはできない」と相手を説得しようとします。しかし、それは相手との対立を引き起こし、問題をさらに複雑にします。
しかし、彼は説得するのではなく、お客さんの話を丁寧に聞きました。そして、こんな会話が交わされました。
「明日はお仕事ですか?」
「いや、明日から3連休だ。家族で旅行に行くんだ。子どもたちも楽しみにしてる。だから早く持って来い!」
「なるほど、だから今日……。」
「古い食器棚から家族5人分の食器を全部出して待ってたんだ。」
彼は、なぜお客さんがこれほど怒っていたのか、ようやく理解しました。
食器棚に傷があったこと、配送員の態度が悪かったこと、それらは怒りの表面的な理由でしかありませんでした。本当に怒っていたのは、新しい食器棚を設置し、気持ちを新たにして家族旅行に出かけようと思っていた計画が狂ったこと。それが彼の怒りの真の理由でした。
ある家具店の従業員は、クレームを持つお客様の本当の問題を理解し、その問題を解決するために行動しました。お客様が怒っていたのは、食器棚に傷があったからではなく、新しい食器棚を設置し、新鮮な気持ちで家族旅行を楽しむ予定が狂ったからでした。
この従業員は、新しい食器棚がすぐには用意できないという事実を理解しつつ、隣の店舗から状態の良い引き出しを確保し、それをお客様の家に持って行きました。さらに、お客様が家族旅行を楽しむことができるように、子供が好きなキャラクターのお菓子やゼリーのセットも持って行きました。
結果として、お客様は感謝の意を表し、後日新品の引き出しと交換することなく、展示品を受け入れました。これは、クレーム対応がうまい人が、相手の本質的な問題を理解し、それに対応するための行動を取ることで、問題を解決する良い例です。
頭のいい人は、議論の勝ち負けではなく、議論の奥にある本質的な問題を見極めようとします。そして、その問題を解決するために行動します。これは、学校的知性ではなく、社会的知性がもたらすものです。
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