■ 返信ひとつで、印象は変わる

「うちの店、★1がついてる……」
スタッフが投稿を目にしたとき、少なからずショックを受けると思います。

でも、ネガティブなクチコミがついたことそのものよりも、“その後どう対応するか”の方が、企業の評価を大きく左右します。
たとえば、誠実な返信が書かれている店舗を見たとき、「ちゃんと向き合っている会社だな」と感じた経験、誰しも一度はあるのではないでしょうか。

今回は、そんな“信頼を取り戻す返信”の書き方を、事例を交えてご紹介します。

■ クチコミ返信で伝えるべき3つの要素

返信を書く際に意識したいのは、以下の3つの要素です。

投稿者の感情に寄り添う言葉

状況の共有・把握への感謝

改善や再発防止に向けた取り組み

「申し訳ありません」だけでは十分ではありません。
怒りや悲しみの根底には、“ちゃんと扱われなかった”という感情があります。
まずはその気持ちに寄り添い、次に、改善の意思を具体的に伝える。それが信頼回復の第一歩です。

■ 業種を問わず使える「伝わる返信」の実例

以下に、いくつかのよくあるクチコミへの対応例を挙げてみます。
実際に活用されている文面をもとに、わかりやすさと温かさを意識して整えています。

◆ ケース1:対応が遅い・待たされた

ご来店の際には、長くお待たせしてしまい、大変申し訳ございませんでした。
お忙しい中ご来店いただいたにも関わらず、気持ちよくご案内できなかったこと、深く反省しております。
現在、スタッフ体制と受付オペレーションの見直しを進めており、よりスムーズにご案内できるよう改善を図っております。
貴重なご指摘、ありがとうございました。

📝 ポイント:
「時間を奪われた」ことへの共感 → 改善への具体的な一歩

◆ ケース2:スタッフの態度が冷たい

このたびは、スタッフの対応によりご不快な思いをさせてしまい、誠に申し訳ございません。
接客において、常に丁寧であるべきと考えておりますが、その姿勢が十分でなかったことを深く反省しております。
いただいたご指摘は全スタッフと共有し、改めて基本の接遇研修を徹底する所存です。
不快な思いをされたにも関わらず、こうしてご意見をお寄せいただき、本当にありがとうございます。

📝 ポイント:
“態度”は特に感情が強く出やすい。非を認め、再発防止をしっかり伝える。

◆ ケース3:商品・サービスに対する不満

ご期待に添えない内容となってしまい、残念な思いをさせてしまったこと、心よりお詫び申し上げます。
○○に関するご意見は、社内で真摯に受け止め、品質・サービス内容の見直しを含めて検討を進めております。
すぐにご満足いただける形でご対応できなかったことは非常に悔しく思っておりますが、今後の改善に確実につなげてまいります。

📝 ポイント:
自社側に大きな落ち度がなくても、受けた印象に対して謝意を示す。
「悔しく思う」「真摯に受け止める」など、心を伝える言葉を選ぶと◎

■ “正解のない世界”だからこそ

クチコミへの返信には、正解はありません。
しかし、感情を受け止める姿勢改善に向けた誠実さがあれば、少なくとも「悪化」を防ぐことはできます。

そして、時に投稿者は、あなたの返信を見て、クチコミを修正してくれることもあるのです。
それは、言葉が届いた証です。

1件1件の対応が、未来のお客様の信頼へとつながっていきます。
次回は、実際に評価が変わった「成功事例」をいくつかご紹介します。